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ROLEX、偽物と本物、あなたはどう見分ける?

以前まで、ロレックスの偽物を見分けるのは簡単でした。その方法は単純で、ほとんどが内部に非機械式のクォーツを使っていたため、秒針が動かなかったのです。ですが今、腕時計専門のサービスWatchfinder & Co.が、そんなわかりやすい偽物を遥かに凌ぐ、精巧な偽物を発見したとのこと。

最高級の偽物(変な言い回しですが)ともなると、熟練のコレクターでも見分けるのがほぼ不可能になってしまうのです。

本物が高いのには理由がある

たとえばロレックスのように誰もが欲しがる高級機械式腕時計には、魅力的な側面がたくさんあります。でもそれらは目が飛び出すほどお高いんですよね。デザインや正確な機械の動き、複雑な機構とシャレたオマケ機構などのすべてが、その価値を作り上げます。それら細部のこだわり、職人の技、それに何百時間にも及ぶ手作業が完璧な仕上げを施すからこそ、「ロレックス デイトナ 116500LN」は1万ドル(約108万円)以上の値札が付くのです。

偽物の精度は時代と共に向上した

かつて市場に出回っていた偽物腕時計は、外観をちょっと似せようとする程度で、細部まで精巧に真似ようとは思っていなかったようです。その代わり彼らは機械に頼り、一気にまとめて部品や機構を切り出すようになりました。その結果、出来上がりはチープでそれ相応に見えたのでした。

ですが時代は移り変わり、機械の正確さは向上。フライス盤などの自動化された製造プロセスの精度も良くなったことで、偽物業者は驚くほどの精度で偽ロレックスなどを作ることが可能になったのです。それは本物と並べて比べたとしても、素人目には判断が出来ないほど。

ということで、Watchfinder & Co.が実際に比較している動画を見てみるとしましょう。

偽物を見ると、本物の凄さが理解できる

偽物の「ロレックス デイトナ 116500LN」は本物と同じ鉄を使ったケースやベルト、盤面を囲むベゼルのセラミックなど、ほとんどすべてが本物のように作られています。それに内部の機構も、ちょっと粗さが見られますが超高精度のコピーとなっています。ですがフィット感や仕上げ加工など、本物を知れば知るほど、最終的な処理加工などが雑なので、偽物だってことがバレてしまいます。

ロレックスは今でも、熟練の職人にたくさんの部品の製造過程を任せており、それが高度な磨き仕上げや滑らかな細部の仕上げに現れています。一方、大量生産された偽物には、そうした細部に魂が宿っていません。よくよく見ると微妙な点が多く、盤面に書かれたレタリングも、本物と比べると雑で不揃いだったりします。比較すると本物がいかに素晴らしいのか理解できるのは、ちょっと逆説的ですけどね。

偽物なのに高価なのは本末転倒では?

興味深い点は、こうした偽物は精度が高いため、安くはないというところ。この偽物ですら、1,000ドル(約10万円)以上してしまうのです。でもですよ? 10万円も出したら、本物のロレックスには及ばずとも、かなり良質な腕時計が買えてしまいますよね。差し引き90万円くらいを節約して、それなりに高級な腕時計が買えてしまうのです。

熱烈な腕時計コレクターなら、間違いなくこんな偽物を着けた人を軽蔑することでしょう。いっぽう大多数の人は気付きかず、気にもしないかもしれません。そんな中で、偽物業者が精巧なロレックスのコピー商品を作るために採用している技術とトリックは、本物のロレックスで何世代にも渡り、家族に伝授されてきたのと同じくらい、背景のある技術として説得力のあるものにしようとしています